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2011年12月06日

道迷い(脱渓編)



(事例1)とある生還した事例。

1996年高槻市で9歳の小学生6人が犬の散歩で近くの山(標高200m)へ向かい、
山頂からの帰宅道が分からなくなった。
6人は現状を危険と判断し、野宿を決断。
2人1組でジャンバーを頭からかぶり、暖をとった。
山中の気温は氷点下に下がっていたが、
翌日の9時に無事救助される。

場所は児童らの自宅からわずかに2km離れた距離だったそうです。



(事例2)日本山岳史上最大級の遭難

1963年1月。
北アルプス薬師岳。
某大学山岳部。
パーティは冬山に不慣れな1年生が多かったそうです。

12月25日平地を出発。
    ↓
同29日に薬師岳南西の太郎平小屋に到着
    ↓
同30日、小屋を出て第3キャンプを設営。
    ↓
1月2日、天候が回復しない為、一旦太郎平小屋へ引き返す。
    ↓
同日5時40分、全員で登頂を目指し出発。
    ↓
同日9時40分悪天候により登頂を断念。頂上手前300Mの地点より引き返す
    ↓
   道迷い    
    ↓
   遭難
    ↓
13名全員死亡。

最大の原因は、南西に降りるべき道を、南東に降りた事だそうです。





話を戻します。





岩に降り立った私は周囲を見て少し驚きました。
以前はあった岩が無くなっていたり、
瀬であった所が淵に変わっていました。
それでもなんとか遡上して行けそうでしたので、
私は釣りをしながら、釣り上って行きました。





道すがら以前に見つけた脱渓点を探して行きます..





1ヶ所目。
大きな岩と木の枝を足掛かりにする予定でしたが、どちらも無くなっていました。





2ヶ所目。
岩を登って崖を上がれるポイントがある筈でしたが、ただの土の崖になっていました。





3ヶ所目を探しているうちに巨大堰堤が見えてきました。





どうやら私があてにしていた脱渓のポイントは全て無くなってしまったようです。





こうなると、堰堤の手前の護岸をよじ登るしかありません。





護岸の高さは最も低い部分で2M程。
若干風化しており、溝が薄くなっていました。





まずロッドとリールを岸に放り投げました。
岸の上の草を掴み、膂力だけで登ろうとしましたが無理でした。
平均的な筋力はある私ですが、
火事場のクソ力を持ってしても不可能でした。





次に護岸の溝に手、足を掛けて登れないか試してみます。
ところがが護岸は一体に苔むしており、手をかけるどころではありませんでした。
あっというまに滑り落ちてしまいます。





さあ困ったと思い一旦川で立ちつくしました..





入渓点より下流に下る選択肢もあるにはありましたが、
途中に徒渉不可能な激流がありました。
下るなら流される事になります。
「いっそウェーダーを脱いで流されてみるか」
真夏でしたが、川水で体温を下げる行為は、
素人の私にも愚かだとすぐに気付きました。

ん?

この時、自分がまだウェーダーとフィッシングベストを着用している事に気がつきました。

てんぱって、まだ半分釣りをする気でいたんですね。





落ち着いて護岸をもう一度見てみると、
エンビ管の小さな排水パイプが出ている所を見つけました。
素足ならなんとか足を掛ける事が出来そうです。





次の瞬間には、暑苦しいウェーダーを岸に投げ、
靴下でぬめった排水パイプを磨いていました。
間違って破損するといけないと思ったので..





それでも滑落を繰り返し、
3回目にしてようやく岸にあがる事ができました。
因みに私の身長があと10cm低いか、護岸が10cm高ければoutでした。





(事例1)のように、遭難未遂は拠点(車止め)からごく近い距離(僅か10Mの地点)で起きました。

最悪の事態に至らなかったのは、運もありますが、

最終局面で冷静でいられたからだと思います。

何故冷静でいられたかと言えば、
父(家族)に詳細な行き先を告げていたから。

それでもビバークしていれば、家族は警察に通報し、
大がかりな捜索が行われていたかも知れません。

大勢の方にご迷惑を掛ける上、

捜索隊による2次、3次遭難の可能性もあります。





週末にフィールドに立つというだけで、
知らないうちに興奮し、心理的には普段と大分かけ離れた心理異常をきたしています。
そんな時でもセルフコントロールをするのが、
自然で遊ぶ者としての努めだと痛感した出来事でした..





追記

悲劇にあった大学生たちの中には、
(地図)と(コンパス)を持った者が誰も居なかったそうです。

後にサンパチ豪雪として伝えられる異常な降雪の中、
若い隊員達は何を思った事でしょう。

私は今、備えという観念について深く考えています・・




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Posted by たーきー at 18:47│Comments(20)雑記
この記事へのコメント
壮絶な戦いでしたね(^_^;)
おらは退渓点なんてなんも考えたことないですね(;´艸`)
気をつけなければ…

いっしょに迷いましょう。爆))
Posted by たけちゃんω∩ at 2011年12月06日 19:48
たけちゃんこんばんは(^-^)/

勾配がゆるければ、まったり探す事もできるけど、

自分が入ったのは、川っていうより荒沢に近かったです。
下るに下れず(^^;;

来季は車持つでしょうから、気をつけてね♪( ´▽`)
Posted by たーきーたーきー at 2011年12月06日 20:49
現在、装備を見直し中です。

本来、私たちの生活圏を超えてますので慎重に万全にを心がけ鱒。
Posted by MoonLightRiver at 2011年12月06日 23:11
MLRさんこんばんは^^

全く同じ見解です。
文明人のらちを超えています。

クライミングツール含め、私も装備を全面的に見直す予定です。
Posted by たーきーたーきー at 2011年12月06日 23:22
たーきーさんの考え方、とても勉強になったッス!

しっかり装備したり、気を付けているつもりでしたが
軽視していた面もありました(^^;)

やはり危険と隣り合わせって言うのを忘れてはいけませんね!
Posted by あまひろあまひろ at 2011年12月07日 00:19
命あっての釣り
命あっての人生
命あっての家族


やはり
安全第一
海メインですが
私も少し装備の見直し
心構えの見直しをはかりたいです
Posted by 門々 at 2011年12月07日 03:01
開拓釣行ではありがちなトラブルですよね(笑)
地元の河川は規模が小さいのでほとんど制覇したので安心できますが、他の河川に行ったときに何度か焦りましたね(^_^;)
意地と根性で登った後に、林道がどこにあるか分からないとか…
一応エマージェンシーシートなるものを持ち歩いてますよ(*^^*)
お互い気をつけて釣りしましょうね(笑)
Posted by T・U at 2011年12月07日 09:21
あまひろさんこんにちは^0^

お恥ずかしい事例ですが、参考にして頂けば幸いです。

危険な状況は揃っているので、
気を抜くとすぐに事故は起こると思います。

今、図書館より5冊ほど本を借りて勉強中です(笑)
Posted by たーきーたーきー at 2011年12月07日 12:37
門々さんこんにちは^0^

自分は命知らずな上に「過信」する癖があるのですが、
やっぱり命を最優先したいですね。

ルアーより先に買う物が一杯ある事に気づきました(笑)
Posted by たーきーたーきー at 2011年12月07日 12:41
T.Uさんこんにちは^0^

エマージェンシーシート検索致しました。

なるほど!
低体温症に陥ると、わずかな時間で死に至りますからね!
ある意味水よりも重要かも知れません。

ホントお互いに気をつけましょう^^
Posted by たーきーたーきー at 2011年12月07日 12:46
考えてみれば…
渓流に限らず、海や湖など
釣り事態が危険と隣り合わせですね

セルフコントロールと安全装備
肝に命じないと(^^)
Posted by 海熊海熊 at 2011年12月07日 14:17
川も陸続きなのに危険ですね  通常ありえないことが起きた時、冷静でいられるかどうかが重要なんですね  

私も沖に出ていて、霧で真っ白になってどっち向いてるかわからなくなった時や、急に大風が吹いて帰れなくなったことがあります  

やっぱり安全最優先ですね~
Posted by ynyk2008ynyk2008 at 2011年12月07日 15:22
海熊さんこんばんは^0^

そうですね。

海熊さんがおっしゃるように事故が起きやすい環境は、
十二分に揃っていると考えた方が無難ですね。

あとはいかにして危険な行為をしないかにかかっています。

気持ちの乱れや、不十分な装備がまさしくそれだと思います^^;
Posted by たーきーたーきー at 2011年12月07日 23:38
ynyk2008さんこんばんは^0^

海に慣れ親しんだ自分からすると、
川は海の1万倍危険に思えます(笑)

高波で膝をさらわれるぐらいの事は不感症になっている自分ですが、
川は見るだけで怖いです。

川を(山を)知らないからです。

今必死になって勉強中です(笑)
Posted by たーきーたーきー at 2011年12月07日 23:42
異常心理。

わかります。特に大物を目撃&バラシなんてした時は興奮して後先考えず遡行したり早足になったりしますから・・・・。

釣れた場合は逆に心に余裕ができるのですが。笑


大袈裟ではなく、自然渓流は常に死と隣り合せに居るようなものですからね。
少しでも知識を蓄え、少しでも冷静な気持ちで釣りをする事でそういった危険性を少しずつ減らしていくしかないんだと思います。

私も始めた一年目でこの釣りは危険だと思い、ネットで調べまくりました。笑
Posted by 蛍 at 2011年12月08日 03:42
蛍さんお世話さまです^0^

おっしゃる通り!

可能な限りの情報を集め、
装備と心を整え、
少しずつリスクを排除するしかなさそうです。

釣欲って恐ろしいと思います。

その認識があるかないかだけでも大分違うと思います(笑)
Posted by たーきーたーきー at 2011年12月08日 12:09
私の所は脱出ポイントわかりやすいんでそんなことはないです

ただ川を上りすぎるとそこまで戻らないといけないんですけどね…(;・∀・)

熊に出くわさなければ安全ですが相当歩きます(笑)
Posted by カズヒロ at 2011年12月09日 17:44
カズヒロさんこんばんは^0^

脱出不能に陥る危険性があるのは、
「急沢」「荒沢」の類が多いと思います。

距離が長いのも足腰の鍛錬には良いかもしれませんね(笑)
Posted by たーきーたーきー at 2011年12月10日 00:17
たーきーさん先日はコメントありがとうございます(*´∀`)
勝手にお気に入り登録させていただきました(´▽`)
事後報告ですみません_(_^_)_
Posted by katwonobiekatwonobie at 2011年12月15日 13:46
katwonobieさんこんばんは^0^

このような成果の乏しいブログをブックマークして頂き、
誠に恐縮です^^;

特技は磯フカセ(ナチュログだと痛い)ですが、なんでもやりますww

こちらも登録させて頂きますのでヨロシクです♪
Posted by たーきーたーきー at 2011年12月15日 21:58
 
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